2015.07.19
文学館 / 海が見える
コラムで描いた、中勘助の小説『銀の匙』の
タイトルのもとになった匙をみるために
神奈川近代文学館へ。
http://www.sunnyboybooks.com/kie-nakazawa-7/
匙、本当にあった。
文章のとおり、ちいさくて独特なかたち。
わたしが文章で想像したより
すくう部分が深くて、丸くて、ちょっといびつ。
左右対称ではない 個性的なかたち。
なめらかでつるつるな光沢。
わたしが描いたのは、やっぱり想像から生み出した
べつの匙だった。
なんだか、感激してしまった。
*
匙をはじめ、中勘助の遺愛の品々は
大事にされてきたのがわかる美しいものばかりで
手紙の数々を読むと、すぐそばにいるみたい。
その生涯に、ちょっとうるっときてしまった。
行ってみてよかった。
丘のうえから、青くかすむ海も見えた。