2018.09.04
☆ 住み処/惑星の話
☔
こんな天気の日は、お客さんの足取りもゆっくり。
広い展覧会場に一人きりの時間が、ぽっかり現れる。
そんなとき、自分そのものなんだけど、
自分とは別の存在であるこの空間を、
うまく例えようのない感覚で見渡す。
*
いつか個展を開いたとき。子どものお客さんがやってきて、
「ここに住んでいるんですか?」と、
複数回訊ねられた。
今回も、初日いちばん初めのお客さんに訊かれたっけ。
今日は本当に自分の部屋みたい。
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わたしの住んでいる世界のなかでは、
時々ものごとの寸法が実寸と異なって見えている。
じっと、ひとつの桃の細部まで見ていると、
色の移り変わりや起伏が浮かび上がってきて、
まるで広い砂丘にいるみたいになったりしてる。
輝く惑星の絵と、フーセンガムの絵と、
さくらんぼの絵が、同じ重さで並んでる。
どれも天体としての存在感で。
そういう宇宙。