notes

2018.09.04

☆ 住み処/惑星の話

IMG_20180904_160852_281

 

IMG_20180904_160852_283

 


こんな天気の日は、お客さんの足取りもゆっくり。
広い展覧会場に一人きりの時間が、ぽっかり現れる。

そんなとき、自分そのものなんだけど、

自分とは別の存在であるこの空間を、

うまく例えようのない感覚で見渡す。

いつか個展を開いたとき。子どものお客さんがやってきて、

「ここに住んでいるんですか?」と、

複数回訊ねられた。

今回も、初日いちばん初めのお客さんに訊かれたっけ。
今日は本当に自分の部屋みたい。

わたしの住んでいる世界のなかでは、

時々ものごとの寸法が実寸と異なって見えている。

じっと、ひとつの桃の細部まで見ていると、

色の移り変わりや起伏が浮かび上がってきて、

まるで広い砂丘にいるみたいになったりしてる。

輝く惑星の絵と、フーセンガムの絵と、

さくらんぼの絵が、同じ重さで並んでる。

どれも天体としての存在感で。

そういう宇宙。

Facebook
Copyright (C) 2014 Kie Nakazawa.
トップへ